【志、志作文について】齋藤ver. | 東進ハイスクール 自由が丘校 大学受験の予備校・塾|東京都

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2024年 5月 2日 【志、志作文について】齋藤ver.

5月になり、新学年にも慣れてきた頃でしょうか?

先月から、受験生の皆さんは、学校でも周りから「受験生」と認知されるようになり、これまで以上に勉強の意識が高まっている頃だと思います。高校1、 2年生にとっては、4月は新たな出会いの季節でもあり、人によっては部活動でリーダーとして周りを引っ張っていく存在になる人もいるでしょう。勉強面で言えば、そんな新生活の期待や不安を抱えながら、皆さんは先月、4月末に共通テスト本番レベル模試という特大イベントで、自身の目標を達成するために勉強してきたと思います。

さて、その4/28の模試が終わり5月になりましたね。高校1年生、高校2年生の皆さんの5月の特大イベントと言えば、志作文コンクールではないでしょうか?

自由が丘校では、高校1、2年生全員に志作文を提出してもらうことを目指しています!!!

さて、皆さんはHRなどで「志作文を書こう!!」と言われたと思いますが、真面目な子を除き皆さんこう思ったと思います。「作文なんて面倒くさいことはしたくない。」「そもそも理系だから小論文も書かないし受験で必要なスキルではない」「予備校が実施するようなことではない」と。実際、自分もそう思っていた側でした。しかし、意味がないように見えるからこそ、真剣に取り組む価値があると思いませんか?

少し話が大きくのですが、一見価値のないことに価値を見出すことがこれからの社会で生きていくのに必要なことだと僕は思います。物理や化学などの理論がある程度体系化された現代において、価値の創造は昔のように誰も知らない新たな発見をすることで生まれるものでなく、今まで誰も注目しなかったような物に価値を付加することで生まれるものとなりつつあります。そんな観点で考え、始めは価値がないと思った今回の志作文を見出して欲しいと思います。

とまあ、現代文のようなうざったらしい話をしましたが、要はこの志作文を書くプロジェクトは決して無意味なものではないというのが伝えたかったことです。

では実際夢志作文を書く意義はなんなのか?という問いに対し、僕は二つのポイントがあると考えました。一つは言語化による将来の可視化もう一つは実現のためのプロセスの確認

まず一つ目について。言語化がどんな役割を果たすかについて考えてみてほしいのですが、例えば、友達の一人がフェルマーの最終定理の証明を中学数学だけで成功してしまったとしましょう。400年間、数々の天才数学者が解こうと試みて証明できなかったこの定理の証明ができたら世紀の大発見になることは間違いないです。ただその友人は頭の中にイメージがなんとなく存在するだけで、証明方法を伝えきれなかったとしましょう。そんな時皆さんは果たして、友人を素直に賞賛できるでしょうか?答えは簡単で、君らはその友人がてきとうな嘘をついているだけだと思い込むと思います。そうなんです。要は頭の中にイメージがあっても、それを言語にしてアウトプットできなければ、客観的に見ればそれはただの自己満足に過ぎないのです。皆さんがどんなに偉大な夢や志を持っていても、それを説明できなければ、社会から評価され尊敬される人間になれないと言えます。逆に今自分の中にある曖昧な理想を言語に表してみることで、自身の将来を客観的な視点から考えなおすことができるのです。いわば言語化は、ヒーローでもヒロインでも何者にもなれる頭の中のイメージの世界から、実世界で一人の人間として生きていく将来を具体的に可視化する行為であるといえます。君らはおそらく小学校、中学校と将来何者にでもなれると教わって成長してきたと思われますが、高校生となり次第に社会の一員としての責任が課されていく中で、どんな夢を見れるネバーランドから旅立ち、具体的な将来像を見据え、それぞれの道を進んでいくことが必要とされます。「将来何者になるか」「これからどう生きていくのか」「何を世界にのこすのか」などなど本気で考える機会としてこの作文を捉えて欲しいと思っています。

また、言語化によって志や夢が具体的なものに昇華させることができたのなら、その現実的な将来を実現するために必要なスキルや経験を考え、逆算し、夢実現のためのロードマップを作ってみてください。例えば、ヒーローになりたいという曖昧な夢を、感染症で苦しむ世界の人々を救う医師になるという実現可能で具体的な将来の理想として言語化した場合は、まず医師にならなければならない。だとすれば、大学は医学部に進学し、医師国家試験に合格する必要がある。なら高校生の今やらなければいけないのは、受験対策としての数学や英語の基礎の定着、また理科科目の勉強 というようになります。現時点での具体的なタスクが明確に定まれば、これからの受験勉強で集中力を切らさず続けていけるはずです。

長々と抽象的な話をしてきましたが、具体例として僕の場合はどうだったのかについて書きたいと思います。僕は昔から理科が好きで将来は自然科学の探究に携わりたいと思っていました。具体的な夢が定まるきっかけとなったのは、ちょうど3年前の高校一年生の時のこの志作文でした。この作文を書くという機会を通じて、初めて実現可能な未来について考えるようになり、調べるうちにアストロバイオロジーという研究に興味が湧きました。そこで僕はその科学者になることを夢と設定して、通過点としての(作文作成時は)東京工業大学、また大学進学のための受験勉強における課題を言語化しました。受験勉強に最後まで集中を切らさず東大合格を勝ち取ることができたのは、この志作文コンクールで理想的な未来とその道筋を想起してから、勉強へのモチベーションがほとんど下がらなかったからかもしれません

是非皆さんがこの志作文に能動的に参加し、自分の将来について考える良い機会にして欲しいと思っています。

 

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